築50年弱の木造2階建家屋の改築計画です。既存建物の現状を鑑み、適宜構造補強を施しながら断熱性能の向上やサッシおよび設備機器の更新など基本的住環境性能の向上を目指しました。

設計:コンドウヒロシ

階段の吹抜けを介して緩やかに繋がるリビングスペースを上下階に設け、そこが生活の核となるよう意識して計画しました。

料理のメニュー開発等を仕事とする奥様のために、ご自宅での作業にも過不足なく対応できるよう、パントリーを含めたキッチンスペースを大きく確保するとともに、キッチン/ダイニングと一階のリビングスペースを連続させることで、来客の多いクライアントご夫婦に広がりのあるおもてなし空間を提供しています。

家全体の動線に回遊性を持たせると共に、標準仕様である室内窓や上部をガラスにしたカヌードアを設けることで、限りある室内空間に対して視線的にも抜け感と広がりを感じられるよう工夫しています。

『継組木兎』の標準仕様であるキッチン壁のうすい緑色の2丁掛タイルは、リビングから見える雰囲気のよいアイキャッチとしても作用しており、訪れたお客様にも好評とのことでした。

柱・梁など既存の構造部材露出部分もその建物の持つ歴史的なアクセントとして受け入れ、あえてそのままの状態でつかっています。

室内の各仕上げは、床に杉フローリング、壁/天井は基本的にエマルジョン塗装で統一。寝室や2階洗面室の天井は合板のオイル塗装仕上とし、完全プライベートの空間として他と差異をつけ、異なる趣の空間としました。