駅からほど近く、近隣には高層の建物も建つなか緑豊かな庭を配した旗竿敷地に建つ、築60年ほどの木造住宅の改修計画です。

いままでも何度か増改築を繰り返した痕跡がみられるなか、今後10年程度のスパンでの利用を前提に計画されました。

設計:コンドウヒロシ

10年程度の利用という時限的な内容を含むこと・住環境性能を含む建物の構成・生活スタイル・ご予算などの諸条件から、既存利用部分と改修部分を選別し、床面積を一部減築して吹抜けとしながら全体として過不足のない計画となるよう配慮しています。

既存部分

既存部分

熱環境の改善の面では、耐震性向上を目指し重い瓦屋根から軽量な屋根への葺替を行うこと、および外壁は補修程度に留め既存利用とすることから、屋根面は仕上建材の下に通気・外断熱を採用。外壁面は既存壁の内側に二重となる内壁をつくり、ウレタン吹付断熱を施しました。

床・内壁は、廊下/階段などの既存利用部分と今回の改装部分とを明確なラインで切り分け断熱を施しています。

水廻り設備の移設や更新に関しては、『継組木兎』標準仕様を採用していただきながら、キッチンや洗面台は再利用可能なものは使いつつ、タマケン大工によってオリジナルのものを制作しています。

隙間風が通り抜けてしまうような既存木製サッシ部分にはペアガラスのインナーサッシを採用し、断熱性能を高めるよう考慮しました。