郊外の閑静な住宅街に建つ木造住宅です。いわゆる中古住宅のご購入にあたって、入居に合わせてご家族の生活に適するよう設備機器の総入替えも含めたリノベーションを行いました。

プランニング:NLデザイン設計室 丹羽修
実施設計及びインテリア: タマケン

リビング/ダイニングには『継組木兎』標準仕様の数々が仕上として使われています。例えば、天井の仕様。既存の天井材を剥がし、2階床下の構造をそのまま見せることで、『継組木兎』が目指す古材の持つヴィンテージ感を抽出しています。

とはいえ、実は天井を剥がしただけ、ではありません。
建物は竣工時からの経年変化で、徐々に歪みが生じている場合があります。

今回も例外ではなく、
2階の床の傾きを水平に修正するため、
もともとの材料を改めて架け替え直す、
という工事を行っています。

手間のかかることではありますが、そこでしか得られないもの、を重視した結果、独特の雰囲気とともに、天井が高く気積も大きくなることで、豊かな空間を得ることができました。

1階には家族が集うためのLDKと寝室+水廻り、2階は二人のお子様のための部屋という全体構成です。

ほかにもテーブルやデスク、キッチン背面カウンターなどの無垢材天板や、木質材料を使った本棚など、手刻みのできるタマケンの大工技術が生かされた『継組木兎』標準仕様がそこかしこでみることのできる設えとなっています。

そのほか、家全体を通して、建具、薪ストーブ、黒板塗装、照明設備など、
様々な標準仕様と『継組木兎』のコンセプトを共有していただき、
おおらかな空間ができあがりました。